ボア・タルドゥ!
冒頭の写真は、今週月曜日にテレビのニュースで放送されたものです。アントニオ・コスタ首相がレストランのテラス席に座っています。
ヘッドラインは「アントニオ・コスタがテラスへ出かける〜ポルトガル国民は、細心の注意で恐怖を克服しなければならない」。
4月までは、人も車もいない街の様子とともに「家にいよう(Fica Em Casa)」という強いメッセージを送っていた政府やメディアでしたが、ここに来て、「社会のためにルールを守ろう、出かけよう、消費しよう」に変化しました。
リーダーが率先して行動する
ポルトガルのリーダーは率先して行動して見せることで、好ましい方向へ国民を誘導するのが上手だと思います。
思い起こせば、3月、非常事態宣言以前から多くの人たちが外出を控え、行動自粛を始めたのも、大統領自身が感染者との接触した可能性があるからと、急遽自己隔離を行ったことがきっかけでした(↓)
コロナ禍で、ポルトガル政府は野党の協力の元、迅速な対策が取れたこと、また、メディアや大手企業との足並みを揃えられたことが、混乱もなく感染爆発や医療崩壊を避けることができた大きな要因だと思います。
しかしながら、2か月以上、経済活動が停止したことで、最近では、経済困窮、傷害事件などの暗いニュースも聞かれるようになりました。
他の国々と同じように、ポルトガルも、これから第2波、第3波を抑えながら、どう経済活動を回復させていくかが大きな課題です。
行動しながら学び、調整するしかない!
下記の記事にはポルトガル大統領が語る”これから”について書かれています(↓)
大統領は、ウイルスとの闘いをマラソンにたとえて、今は5キロ地点、2022年まで続くだろうと予想。「未曾有の事態なのだから、行動しながら学習していくしかない。それは世界中どの国にとっても同じこと」と話しています。
「自らの行動で経済活動が安全であることをできるかぎり国民に示したい。しかし、5月中は注意しながら、少しずつ活動する期間になるだろう。その上で、街に出て、商業、飲食業、観光業を助けてほしい」と呼びかけます。
ポルトガル国民は並外れている
「最初の5キロを走ってみて、私たちは学び、決断することができた。ひとえに、ポルトガル国民が並外れた力を発揮してくれたからだ。それは、世界中が認めていること。ポルトガル国民は、どんな状況かを理解し、何をすべきか判断する能力に長けている」と、人々を称えることも忘れていません。
「そして、今すべきことは、経済・社会活動と感染拡大防止のバランスを見極めること」。
誰もが抱いている不安や希望をわかりやすい言葉にして、率先して行動してくれるだけで、不思議と「きっと大丈夫」という前向きな気持ちになれます。
リーダーに求められていることはそんな単純なことかもしれませんね。
ポルトガルの経済活動再開について(↓)